衣服のケアラベルを見ると、どんな繊維素材が使用されているのかが分かる「組成表示」が印字されてます。そこで、綿やポリエステルなどはよく目にする素材で比較的ポピュラーですが、テンセル・リヨセルなど「指定外繊維」といわれるものをたまに見る時があります。指定外繊維って何?どんな特徴があるの?そもそも洗って良いの?といったように割と謎な繊維と言えるかもしれません。
このページでは、指定外繊維について解説します。
2017年の改正によって「指定外繊維」の文言は使用できなくなり、その代わりに「分類外繊維」という文言が使用できるようになりました。
よって、このページで紹介している「指定外繊維」とは現在では「分類外繊維」に該当しますので、その旨ご了承ください。
よって、このページで紹介している「指定外繊維」とは現在では「分類外繊維」に該当しますので、その旨ご了承ください。
指定外繊維とは?
衣料に縫い込まれているケアラベルは、家庭用品品質表示法という法律に基づいて印字表示がされています。ケアラベルの繊維名は、ほとんどの繊維名は共通していますが日本工業規格(JIS)の繊維用語とは別の、あくまで家庭用品品質表示法で指定された繊維名とその混合率が表記されています。
そこで、「指定外繊維」とはズバリ家庭用品品質表示法によって指定されていない用語という意味で「指定外繊維」と呼ばれています。そして、法律では「指定外繊維」の用語にその繊維の名称を示す用語又は商標をカッコをつけて付記するようになっています。(ただし、括弧内に用いることのできる繊維の名称を示す用語または商標は一種類に限る。)
例えば日本工業規格(JIS)では「リヨセル」や「テンセル」と言われる繊維は、家庭用品品質表示法では「指定外繊維」の扱いになりますので、実際のケアラベルでの表記方法は以下のように表記されています。
2017年の改正によって「指定外繊維」の文言は使用できなくなり、その代わりに「分類外繊維」という文言が使用できるようになりました。
よって、このページで紹介している「指定外繊維」とは現在では「分類外繊維」に該当しますので、その旨ご了承ください。
何故指定外繊維なの?
「指定外繊維」と表記される理由は、対象となる繊維が比較的新しい繊維である為、家庭用品品質表示法で定義されていないからです。
リヨセル・テンセルって?
では、リヨセルやテンセルとは一体どんな素材なのでしょうか。
リヨセル・テンセル
リヨセルは、ナイロンやポリエステルのように石油を原料としておらず、ユーカリ(木材)を特殊な溶剤で溶かして作られる(溶剤紡糸法と呼ぶ)再生繊維で、繊維の断面が円形であることから強度が高く、湿潤時の収縮や強度の低下が少ない繊維です。
また、溶剤を回収して再利用するため、廃液が環境中に放出されず、地球にも優しいエコロジカルな繊維です。
ちなみに、「リヨセル」と「テンセル」は同じ繊維です。
「リヨセル」はオーストリアのレンチング社、「テンセル」は英国のコートルズ社の商標として使用されていましたが、2004年に両社は合併し、ブランド名を「テンセル」。総称として「リヨセル」というようになりました。
リヨセル・テンセルの特徴
■メリット
・ソフトな風合いと適度な光沢感がある。
・繊維が柔らかくドレープ性がある。
・吸湿性に富む。
・ハリ、コシ感、弾力性(反発性)がある。
■デメリット
・摩擦により毛羽立ちや白化しやすい。(湿潤状態での摩擦は特に注意!)
・濡れると風合いが固くなる場合がある。