アクリルとウールの違い【組合が解説】 | 繊維の種類を知ろう | 東京都クリーニング生活衛生同業組合

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アクリルとウールの違い【組合が解説】

秋冬のアイテムとしてニット製品があります。最近では、ローゲージニットなども流行しており、秋冬時にざっくりと着こなすアイテムとして男女ともに人気があるようです。
ところでセーターなども含めたニットアイテムといえば、ウール(毛)素材が代表格ですが、ケアラベルの組成表示を見るとウール以外の素材も使用されていることが多々あります。中でも、「アクリル」はセーターなどでよく見る素材です。
ここでは、何故アクリルがセーターなどのニットに用いられるのか?また、ウールとの違いについて解説します。

アクリルとは

アクリルは、ポリエステルやナイロンと共に3大合成繊維と呼ばれており、中でもウールに似た性質を持たせることが出来る為、比較的セーターなどで利用される繊維です。

ウールに似た性質とは

アクリルは、ふっくら柔らかい風合いと暖かいという特徴があります。柔らかい風合いと保温性を実現するには、嵩(かさ)高く空気をたくさん含むことが条件の一つでもありますが、アクリルは人工的にこの機能を持たせた繊維なのです。

アクリルの真骨頂~バルキー糸~

では、アクリルはどういった工夫でウールに近づけているのでしょうか?それを理解するカギがバルキー糸(嵩高加工糸)です。
収縮繊維と収縮しない繊維を混紡した後、熱処理で収縮繊維を収縮させることで糸の中に多くの空気を含むように加工したのがバルキー糸と言います。つまり、嵩をもたせるように加工した糸です。

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<写真:技術情報>

バルキー糸により、見た目も風合いも保温性もウールと似た機能を持たせているのです。

ウールとの違いは?

完全にウールとアクリルは同じかと言えばもちろんそのようなことはありません!
そこで、ウールと比較した場合のアクリルのデメリットとメリットを見ていきます。


デメリット

アクリルは、吸水・吸湿性が劣っており、汗を吸いません。よって、汗をかくとベタつきやすい性質があります。また、毛玉も出来やすいのと静電気が起きやすいのは大きな弱点と言えます。更に、熱に弱いことも挙げられます。

メリット

まず言えるのはウールより価格が安いです。フェイクファーなどはほとんどがアクリルと言われています。
保温性があり、強度も強く、耐久性があります。また、虫食いなどの影響を受けない。更に、吸水吸湿性が小さいので乾きが早いです。そして鮮やかな染色加工が可能なのことも挙げられます。

よって、仮にウール100%のセーターとアクリル100%のセーターがあった場合、価格だけではなく、それぞれの特性の違いによって選ぶことが大切と言えます。

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