最も身近な素材 綿(コットン)について | 繊維の種類を知ろう | 東京都クリーニング生活衛生同業組合

繊維の種類を知ろう

最も身近な素材 綿(コットン)について

しっかりした厚みのある生地からシルキーで光沢のある生地まで、様々な種類がある「綿」。
丈夫で肌触りの良い綿は老若男女の様々な衣類に用いられ、季節を問わず私たちの生活を快適にしてくれます。
このページでは、私たちの生活に最も身近な素材と言える綿について解説します。

綿は何からできているのか?

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綿とは、アオイ科ワタ属の多年草「ワタ」の種子からとれる繊維のことを指します。
繊維の断面を顕微鏡で観察すると、天然の"撚り"がかかりチューブをつぶしたような構造になっていて、その空洞に含まれる空気が優れた保湿・断熱機能を発揮するのです。
綿のように自然界において天然に存在している繊維は「天然繊維」と呼ばれ、綿の他にも「絹」や「麻」、「羊毛」などがあります。


綿の特徴を知ろう

長所

・丈夫である(強度があり、耐摩耗性がある)
・肌ざわりが良い(吸収性・放湿性に富み、柔らかい)
・染色性がよい
・耐洗濯性がよい(アルカリに強く、耐摩耗性がある)

短所

・縮みやすい
・シワになりやすい
・繰り返し洗濯することで硬くなる

※一般に流通しているほとんどの商品に、短所を補う様々な加工が施されています。その為、全ての商品にここで挙げる短所が当てはまる訳ではありません。


綿にも種類がある

綿は天然繊維のため、品種により繊維の長さが異なります。
長い繊維ほど細い糸を得ることができ、細い糸はしなやかで光沢のある製品になります。

一般的な綿

一般的に流通している綿は、繊維の長さが平均28mm程度です。
吸水性や丈夫さ、柔らかな肌触りに加え、比較的安価であるため日常使いにピッタリです。
インド、中国、アメリカ等世界中で栽培されているため、供給も安定しています。

高級綿

一般的な綿の繊維の長さが28mm程度なのに対し、高級綿の繊維の長さは35mm以上あります。
繊維が長い綿は栽培条件が厳しく、生産される地域が限られるので希少価値が高くなります。さらに一般的な綿の特徴に加えて上品な光沢とカシミヤのような高級感も併せ持ち、品質も優れているため高級綿となるのです。
高級綿の中でも海島綿(シーアイランドコットン)やエジプト綿は、天然の捻じれが多いため強い撚りをかけた細い糸を作ることができます。
その他にも高級綿にはスーダン綿、ペルー綿、スピーマ綿、ウイグル綿などの種類があり、これらの細い繊維から作られた製品は、シルキーな光沢としなやかな美しさが特徴です。

高級綿はその着心地の良さから、Tシャツやワイシャツ、パジャマ等に用いられます。
しっとりと肌なじみが良いその着心地は「まるでシルク」と例えられるほどです。

綿製品の取扱上の注意

・実用的な衣服が多く洗濯頻度が高くなるため、摩擦により繊維が擦り切れる場合があるので注意しましょう。
・ジーンズや濃色系衣類は色が落ちやすいので、他の衣類に移染しないように気を付けましょう。

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