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ワイシャツボタンについて

一般的にクリーニング頻度の高い品物と言えば「ワイシャツ」ですが、ワイシャツボタンが割れてしまったり、取れてしまったりなど、ボタンに対するトラブルが意外に多くあるようです。
衣服はボタンという付属品も含めてファッションであると捉えることが出来る為、意識の高いクリーニング店では、ボタンに対してもしっかりと注意を払うお店があります。
このページでは、ワイシャツボタンについて解説します。

ワイシャツボタンの材質

ワイシャツのボタンとしては、高価なシャツには「貝ボタン」が使用されている場合が多いです。一方、普及品の多くにはほぼ「プラスチックボタン」が使用されている場合が多いようです。この他にもボタンに使用される材質はありますが、ここでは「貝ボタン」と「プラスチックボタン」のみに絞って紹介します。

貝ボタン

原料は、高瀬貝、白蝶貝、黒蝶貝、アワビ類などの貝殻を原料とし、一個ずつ手作業で切削して作られています。天然素材の優雅な光沢と微妙な色と模様の違いがあり、同じものが二つとして無いことが特徴です。
しかし、熱に強い反面耐久性が弱く、衝撃などを受けると割れが生じ、中には通常着用時に割れてしまうこともあるようです。

プラスチックボタン

強度、耐熱性、耐薬品性のどれもが標準以上で、非常に多くの衣服で利用されています。材質の観点では特にクリーニング上の問題はないと言われていますが、形状によっては高温高圧や強い衝撃を与えると亀裂が入ったり完全に割れたりすることもあるようです。


割れやすいボタンの見分け方

貝ボタンは材質上割れやすいですが、プラスチックボタンは材質的に比較的丈夫です。ところがそれでも割れてしまったり欠けたりするケースがあります。その原因は、ボタンの形状にあると言われいます。では、どのような形状が割れやすいのでしょうか。
それはズバリ、角張ったり反り返ったボタンがが割れやすいです。その点、丸みを帯びたボタンは割れにくいと言われています。

ガラス製品がその材質上落としたら割れやすいのと同様に、貝ボタンや角張ったり反り返ったボタンは、衝撃や強い力が加えられることで割れやすいというのを知っておくことが重要です。

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角張ったボタンは割れやすい 丸みを帯びたボタンは割れにくい

では、このようなボタンの材質や形状をふまえて、クリーニング店ではどのような破損防止対策が行われているのでしょうか。

クリーニングのボタン破損事故事例

クリーニング処理の中で、ボタンが割れる可能性の高い工程というのがあります。それはおおむね「洗浄工程」「プレス工程」の2つが考えられます。
では一体これらの工程で、ボタンが割れやすい理由とはどのようなものでしょうか。また、クリーニング店で行われるべき破損の防止策とはどのようなものでしょうか。

プレス機を使ったプレス工程での破損

クリーニング店には、短期納品や低価格という消費者ニーズに応えるべく、手間と時間のかかる仕上げ工程の時間短縮の為、特別な機械を導入しているお店があります。
ワイシャツの仕上げ工程では、生地が厚いエリとカフス部分のみにプレスを行う「エリ・カフス仕上げ機(通称:三山プレス機)」という機械が用いられることがあります。
エリ・カフス仕上げ機は、上下にあるパットでワイシャツのエリとカフス部分を一度にプレスする仕組みで、仕上げ作業時間の短縮化を図ることが出来る為、チェーン店の工場のみならず個人店の一部店舗でも導入されているような、ポピュラーな機械です。

ところが、パッドを定期的に交換することなく硬い状態になっても使い続けていると、必然的にカフス部分のボタンに対する加熱を伴う加圧により、破損する場合があるようです。

また、カフス部分の山の角度が強い為、ボタンが斜めに擦れるように加圧されることで破損する場合もあります。

その点、アイロンのみによる手仕上げの場合であれば、同様の破損事故は避けられます。しかし、やはりこれも作業を行う人の意識やお店の方針などによっては、重いアイロンで無理にプレスを行うことで事故を引き起こす場合もあるようです。

洗浄工程での破損

クリーニング店で使用される洗濯機は、その内胴がステンレス製の金属で出来ていますが、洗浄処理中に内胴と接触する中、強い衝撃を受けることにより亀裂が入ったり割れてしまう場合があります。
その為防ぐ方法としては、洗濯機内に入れる品物の分量と水の量を適量にすることが必要と求められています。

まとめ

クリーニングにおいてワイシャツという品目は、他の品目と比べ非常に沢山の数を処理しています。
その為、ワイシャツのクリーニングだけを行う業者もいるほどです。
しかし、そうした大量処理の必要な品目であっても品物は一点一点異なり、最近ではデザインはもちろんボタンの種類も豊富になってきており、万が一ボタンを破損してしまってもこれまでクリーニング店でストック出来ていたボタンで対応が可能でしたが、それが難しくなってきているようです。これは、ボタン一つでもこだわりを持つ消費者意識の変化も影響しているようです。

つまりボタンという小さな付属品であっても、それは衣服の印象を大きく左右する影響を持つという認識が広まりつつあります。

そこで重要なのが、やはりお店選びと言えます。


・エリ・カフス仕上げ機のパットの交換を定期的に行っているか?
・洗濯機の内胴への衝撃に耐えられるように対策が練られているか?
・ボタンの破損防止を意識しながら処理に当たっているお店か?
・ボタンであっても軽視していないお店か?

普段クリーニングを利用していて、これらのことに注目するのはなかなか難しいかもしれませんが、意識しながら仕事をしているお店と比較的意識の低いお店があるようですので、お店選びは慎重に行う必要があります。トラブルが起きてしまってからでは遅いのですから…。

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